メタバースとは?意味や何ができるかをわかりやすく解説

2021年、Facebook社がMetaに社名変更したことで大きな注目を集めた「メタバース」。みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。10年以上も前に「Second Life(セカンド・ライフ)」というメタバースが話題になりましたが、それは一部の詳しい人たちだけの話でした。

近年のインターネット技術の進化や新型コロナウイルスの影響による働き方やライフスタイルの変化によって、以前にも増してメタバースが注目されています。メタバース上のゲームやファッションブランドの出店、コンサートや展示会など、経済活動の場としても活用され始めています。

メタバースで使える仮想通貨も誕生しており、仮想空間のモノやサービスを買うことができるようになります。メタバースをきっかけに仮想通貨を利用する人が増えるかもしれません。そこで本記事では、メタバースの意味や背景、メリット、活用例までわかりやすく解説します。

目次

メタバースとは

メタバースとは、3次元の仮想空間のことを指します。アバターと呼ばれる自分の分身でその世界に入り込み、ほかのアバターとのコミュニケーションやゲーム、イベントを楽しむことができます。VRヘッドセットを着用すれば、仮想空間により没入することができ、現実世界に限りなく近い状態で活動できます。

2003年に公開されたセカンド・ライフは、現在の”メタバース的”な3次元仮想空間サービスの先駆けといわれています。専用の通貨で不動産売買したり、大手企業のバーチャル店舗が出店するなど、メタバースの原型とも言えるような先進的なプラットフォームでした。

それでも、当時としてはインターネット環境や技術がメタバースに追いつかずブームに終わってしまいました。近年はその環境が整い「フォートナイト」や「あつまれ どうぶつの森」などオープンワールドなオンラインゲームが一般化しています。

これまで娯楽での活用が目立ちましたが、最近では大手企業の参入もたびたび聞くようになり、会議やバーチャルオフィスなどビジネス面での活用も現実的になってきました。将来的には、メタバースのなかで経済活動や社会生活を送れるレベルまで普及するのではないかといわれています。

メタバースの語源

「メタバース」は、アメリカの作家であるニール・スティーヴンスンによる1992年の小説「スノウ・クラッシュ」のなかで登場した言葉です。「Meta(超越)」と「Universe(宇宙)」から成る造語が語源となっています。

メタバースが注目された背景・理由

コミュニケーションの変化

私たちを取り巻くデジタル技術は日々進歩しています。通信インフラは以前とは比べ物にならないほど高速になり、タイムラグのないリアルタイムなコミュニケーションを可能にしました。新型コロナウイルスの影響も手伝って、企業はDX(デジタル・トランスフォーメーション)を余儀なくされ、オンラインコミュニケーションの重要性が増しています。

ブロックチェーンと好相性

初期のメタバースと大きく違うのは、実用化の進むブロックチェーン技術を活かしたプロジェクトが次々と生まれていることです。セカンド・ライフでも専用の通貨でアイテムを購入したりすることはできましたが、その価値をプラットフォームの外に持ち出すことはできませんでした。

NFT(非代替性トークン)はブロックチェーンで発行する証明書のようなもので、現物の宝石や絵画などのように固有の価値を証明できるようになります。まるで現実世界のようにNFTの土地やアイテムを売却して、得た仮想通貨を円やドルなどに換金するといったことも可能なのです。

関連記事:NFTとは?活用事例や特徴をわかりやすく解説

ビッグ・テック企業の参入

Facebook社は2014年にVRヘッドセット大手のOculus社を買収、2021年にはMetaに社名変更、今後もメタバース分野に巨額の費用を投じると発表し本格参入しました。GoogleやApple、Microsoftなど国内外問わずビッグ・テック企業からの注目の的になっており、加速的な市場規模の拡大が期待されています。

メタバースの効果・メリット

新たなビジネス経済圏

メタバース上のゲームやファッションブランドの出店、コンサートや展示会など、経済活動の場としても活用され始めています。メタバースで使える仮想通貨も誕生しており、仮想空間でモノやサービスが取引されています。いずれはメタバースのなかだけで、経済活動が完結してしまう可能性も大いに秘めています。

高度なオンラインコミュニケーション

これまでオンラインでのやりとりは、密なコミュニケーションや関係づくりには不向きとされてきました。このような問題をメタバースが解決するかもしれません。アバターを介してバーチャルオフィスに集えば、まるで一緒にオフィスにいるかのような一体感があり、場所にとらわれないまま心理的な距離を近づけることができます。

手軽に非日常体験ができる

メタバースはあくまで仮想空間のため、建築物や風景を人為的に自由につくることができます。メタバース建築家という新しい職種が生まれているほど。ゲームなどのエンタメ領域では、新しい体験を提供できるポテンシャルが非常に大きいです。

おすすめのメタバース活用例【ゲーム編】

Fortnite(フォートナイト)

アメリカのEpic Games社が配信する「Fortnite(フォートナイト)」は、世界で3億5,000万以上のアカウント数を誇るバトルロイヤル・シューティングゲームです。ユーザー同士の交流が楽しめるパーティロイヤルモードでは、著名なアーティストがオンラインでコンサートを開催しています。同社CEOのティム・スウィーニーが、初期の頃からFortniteを「メタバース」と呼んだことで広く認知されました。

Decentraland(ディセントラランド)

Decentraland(ディセントラランド)」は、ブロックチェーン技術を使ったメタバースです。ユーザーがプレイする仮想空間の土地「LAND」は注目度とともに値上がりを続け、仮想不動産の取引や土地の開発が活発におこなわれています。楽しみ方の自由度が高く、メタバース上でのイベント参加やオリジナルのアイテム作成・販売といったことも可能です。

関連記事:ブロックチェーンゲームとは?仕組みや特徴をわかりやすく解説

おすすめのメタバース活用例【ビジネス編】

バーチャルオフィス

新型コロナウイルスの影響により在宅勤務が一般化したことで、オンラインコミュニケーションの重要性が一層増しています。例えば、Meta社が公開した「Horizon Workrooms」のように、VRヘッドセットを着用しアバターを介してバーチャルオフィスに集えば、まるで一緒にオフィスにいるかのような臨場感のある会議をおこなえます。

バーチャルイベント

コンサートや展示会、セミナーなど、メタバースでおこなうイベントにも注目が集まっています。例えば、クラスター株式会社が開発したVRプラットフォーム「Cluster(クラスター)」では、「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス」やバーチャル遊園地「ポケモンバーチャルフェスト」など、大型のバーチャルイベントが多数開催されています。

バーチャルショップ

小売EC分野でもこれまでにない体験を提供できるとしてメタバースが期待されています。アバターとして店舗に出向くことができ、同じくアバターの店員とコミュニケーションが可能な仮想空間の店舗です。実際に気に入った商品を購入することができて、従来のオンラインショップにはなかったリアルな購買行動を再現することが可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、メタバースの意味や背景、メリット、活用例まで解説しました。技術面や法整備などの課題はまだまだありますが、映画「レディ・プレイヤー1」のような精度の高い仮想空間が実現するのも、そう遠い話ではないかもしれません。

またブロックチェーン技術とメタバースが組み合わされば、現実世界の社会活動に限りなく近づきます。メタバースの需要に応じて、仮想通貨の価値も高まっていきます。メタバースをきっかけに仮想通貨を利用する人が増えるかもしれません。

※当サイトでお伝えする内容は、仮想通貨やWeb3に関する一般的な情報に過ぎず、これらへの投資の勧誘を目的としたものではありません。仮想通貨の投資と売買はとてもリスクが高いものです。最終的な投資決定は皆さんご自身の判断でなさるようにお願いいたします。

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