先日の記事「仮想通貨とは?基礎知識や魅力を初心者向けにわかりやすく解説」では、仮想通貨の魅力として次の3点を挙げました。
- 世界中で決済できる
- 個人間で直接送金できる
- はじめてでも投資しやすい
投資的な観点では、初心者でもはじめやすいのが特長です。仮想通貨は少額で購入できて、24時間365日いつでも手軽に取引可能です。そこで最初に、このような壁にぶつかるわけです。
「どの仮想通貨が良いのかわからない…」
それもそのはず、世界には数千以上もの仮想通貨があるといわれています。そして、それぞれが仕組みや機能など異なった特徴を持っています。
本記事では仮想通貨投資の入口として、執筆時点で時価総額トップ2の「ビットコイン」と「イーサリアム」をご紹介します。

目次
ビットコインとは
まずは、仮想通貨の元祖「ビットコイン」です。
ビットコインは、2008年にサトシ・ナカモトと名乗る人物が発表した論文をもとに実装され、2009年から取引が開始された世界初の仮想通貨です。従来の金融システムのような国家や組織など中央が管理する構造とは違い、個人が自分で管理できるお金のあり方を目指して構想されました。
技術的には、暗号技術やブロックチェーン、P2P(Peer to Peer)の仕組みが結集されています。すべての取引記録は透明性が高く、分散的に監視されるため、データの改ざんや不正は極めて困難です。分散型台帳という名のとおり、データを相互に管理することによって高いセキュリティを実現しています。
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イーサリアムとは
ビットコイン登場以降も、さまざまな種類の仮想通貨が次々と生まれました。このようなアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)のなかで最も有名なのが「イーサリアム」です。
イーサリアムは、2013年にヴィタリック・ブテリンによって考案された仮想通貨です。ビットコインと同様に決済や送金が可能ですが、それに加えてイーサリアム上でさまざまなアプリケーションを構築することができるプラットフォームとしての役割を持っています。
イーサリアムブロックチェーンで独自の仮想通貨(トークン)を発行したり、ゲームやDeFi(分散型金融)など幅広い活用が期待できます。このような分散型アプリケーション(DApp)を利用する際に、手数料としてイーサリアムが必要になるのです。
イーサリアムには「スマートコントラクト」という仕組みが実装されています。プログラム付きの契約書のようなもので、第三者を必要とせず契約内容を自動執行できます。さまざまな情報を記録することができ、あらゆる手続きを自動化する機能として注目を集めています。
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ビットコインとイーサリアムの比較
ビットコイン | イーサリアム | |
---|---|---|
用途 | 決済 | プラットフォーム |
開始時期 | 2009年 | 2014年 |
考案者 | サトシ・ナカモト | ヴィタリック・ブテリン |
ブロック生成時間 | 10分程度 | 15秒程度 |
発行枚数 | 2100万枚 | 上限なし |
通貨単位 | BTC | ETH |
コンセンサスアルゴリズム | PoW | PoS |
用途の違い
ビットコインは価値の交換や保存のような「決済」に適した用途で、イーサリアムはさまざまなアプリケーションを構築することができる「プラットフォーム」としての役割が想定されています。
開始時期の違い
世界初の仮想通貨ビットコインが「2009年」に取引開始したのち、5年後の「2014年」にイーサリアムが運用を開始しました。
考案者の違い
ビットコインの考案者は「サトシ・ナカモト」という正体不明の人物もしくはグループです。イーサリアムは、考案当時19歳だったロシア系カナダ人のプログラマー「ヴィタリック・ブテリン」です。
ブロック生成時間の違い
ビットコインの1ブロック生成時間が「10分程度」で、イーサリアムは「15秒程度」といわれています。
発行枚数の違い
ビットコインの発行枚数は上限が「2100万枚」と決まっており、イーサリアムの発行枚数は「上限なし」です。なお、仮想通貨の時価総額は、通貨の時価に発行済枚数を乗じた数値(時価総額=時価×発行済枚数)を指します。
通貨単位の違い
ビットコインは「BTC」という単位で、イーサリアムは「ETH」という単位であらわします。
コンセンサスアルゴリズムの違い
ビットコインは「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」、イーサリアムは「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)」というコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
ブロックチェーンには特定の管理者が存在しません。そのかわりに新たな取引を記録するには、内容の正しさを証明するために、誰がどのように承認するのかという仕組みが必要です。この合意形成の方式をコンセンサスアルゴリズムと呼んでいます。
ビットコインが採用するPoWは、複数のネットワーク参加者が競い合い、内容が正しいかどうかを検証・承認し合っています。これをマイニングといい、膨大な計算処理を一番早く解いた者に報酬が与えられる方式です。
一方で、イーサリアムも同様の方式を採用していたのですが、大型アップグレードによってPoSに移行しました。これは、ネットワークに預けた通貨の保有量などに応じて、取引内容を記録・承認する権利と報酬が与えられる方式です。PoWの欠点となっていた環境負荷や拡張性の解決を期待されています。

まとめ
今回は、主要通貨であるビットコインとイーサリアムをご紹介しました。あたらしいお金のあり方を目指したビットコイン、プラットフォームとしての活用を構想したイーサリアム。 一口に仮想通貨といっても、仕組みや機能など異なった特徴があることをおわかりいただけたかと思います。ぜひほかの仮想通貨とも比較してみてくださいね。
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