銀座のカフェ・ド・ランブルに行ってきました

レトロなオレンジ色の看板が目印の名店、銀座のカフェ・ド・ランブルに行ってきました。創業は1948年の超老舗で、まさに日本の珈琲文化のルーツのような喫茶店です。1968年創業のカフェ・バッハとともに東京珈琲四天王のひとつに数えられています。新橋寄りの中央通りから1本入ったところにあって、近くにはジョン・レノンとオノ・ヨーコが通ったといわれるカフェーパウリスタもあります。

珈琲だけの店。ノスタルジックなフォントがいい感じ。
珈琲だけの店。ノスタルジックなフォントがいい感じ。

平日の良い時間帯に伺ったのか半分ほどの席は空いていて、14時ぐらいだったがカウンターに座ることができました。まわりを見渡すとサラリーマン風の常連客と海外からのお客さんなど。店員さんも慣れたように英語でコミュニケーションをとっていました。

メニューはブレンドとストレート(シングルオリジン)約30種を中心に、卵黄入りコーヒーや低温抽出の濃いコーヒーなど珍しいものも並ぶ。豆を10年以上寝かせたオールドコーヒーは老舗ならではの選択肢。「珈琲だけの店」と看板にありましたが、喫茶店定番のコーヒーゼリーやコーヒーリキュールを使ったアイスクリーム、プリン、シャーベットなんかもあって、銀ぶらの甘味処としても利用したいですね。

まずはブレンドのドゥミ・タッス。濃厚なのに雑味が全然なくちびちびうまい。

ブレンドコーヒー ドゥミ・タッス シングル ¥760
ブレンドコーヒー ドゥミ・タッス シングル ¥760
赤いポットを固定してネルフィルターのほうを動かしながら回し注ぐ
赤いポットを固定してネルフィルターのほうを動かしながら回し注ぐ

ちなみにドゥミ・タッスとは濃さの違いで、抽出量が少なめで一番濃いものを指す。ほか濃い順に中カップで提供されるカフェ・ノワール、ミルク付き普通カップのカフェ・クレームと続く。それぞれ単種から選ぶことも可能です。

ブラン・エ・ノワール "琥珀の女王" シングル ¥820
ブラン・エ・ノワール “琥珀の女王” シングル ¥820

次に飲んだのは名物メニューのブラン・エ・ノワール。エバミルクを浮かした甘めのコーヒーで、混ぜずに飲んでくださいとのこと。最後の最後まで味が変わることなく、計算された比率なのだろう。疲れた体に効く良い甘さ。

グラスの隅まで舐め回したいぐらい最後の1滴まで良い甘さ。
グラスの隅まで舐め回したいぐらい最後の1滴まで良い甘さ。

自分が美味いと思うコーヒーをひたすら作ってきた

創業から70年以上のカフェ・ド・ランブル。当初西銀座に店舗を構えていたそうだが、隣接するレストランの火災で現在の8丁目に移ってきました。

創業者の関口一郎さんは、終戦後映画館関係の機材を取り扱う仕事をしてましたが、その会社の倒産を機に珈琲店開業へとつながっていく。もともと取引先の接待としてコーヒーを振る舞っていたそうですが、商談がなくともコーヒーだけ飲みに来る人がいるほど好評だったそうです。そのときのファンに開業を勧められたことから、次の仕事の「食いつなぎ」として始めたのだそう。それが70年も続いてるんだから、人生わからないものですね。

私は長い間自分のコーヒーを作ってきた。誰にも相談せず、本も読まずに、自分が美味いと思うコーヒーをひたすら作ってきた。もっともランブルを始めた頃には今のような専門誌や便利本など無かった時代だが。
こうして半世紀以上も喫茶店として商売が成り立っているのは、たまたま私の作ったコーヒーの味を好んでくれるお客様がいただけで、単なる需要と供給の関係。ランブルのコーヒーはパーソナルコーヒーなのだ。
万人の舌に合うコーヒーなどない。そんなものを目指しても無理な話で、信じられるのは自分の舌だけだ。その自分の味覚が信じられなかったらコーヒー屋なんてやらない方がいい。
カフェ・ド・ランブルのWebサイトより

さらにご自身の著書では、こう書いてありました。

大事なことは、客の嗜好に振り回されない、信念のある味づくりだと思います。だから、ある確固とした味のレベルを設定したら、その味を貫くことが必要なんです。
―関口一郎さんの著書「珈琲の焙煎と抽出法」より

残念ながら関口さんは昨年、享年103歳でお亡くなりになられました。現在はお弟子さんたちがその意思を引き継いでお店に立っています。

ブルーボトルコーヒーの創業者も、そんなクラフト精神に魅了されたひとり。

私が最初にネルドリップで淹れたコーヒーを飲んだのは銀座にある「カフェ・ド・ランブル」でした。コーヒーは1mlごとに職人技が感じられる抽出方法で、あまりにも丁寧に淹れられ、私は困ってしまうほどでした。ところが一度飲んでみると、「複雑で衝撃的、そしてとまどうほどのとろみがあり、今までの人生でこんなコーヒーを一度も飲んだことがない」と挫折感を味わうと同時に、自分に怒りすら覚えたほどです。今までこのコーヒーを知らなかったとは何事だ!?と。
―著書「ブルーボトルコーヒーのフィロソフィー」より

カフェ・ド・ランブルの特徴は、自家焙煎や手縫いのネルフィルターによるドリップ、オールドコーヒーなどさまざまではありますが、グラインドについても独自の信念を貫いていて、微粉を限りなく減らすためにオリジナルのミルを開発したほど。

どんな方法で淹てた珈琲でも濁ったものは失格であると決めている。
これは、簡単にテストすることができる。カップに入った珈琲にスプーンを浅く斜めに入れてスプーンが一番光っている点を見つけ、その輝度を確認する。次にスプーンを徐々に沈めてゆき輝いている点が見えなくなるまで冴えていて、どんより曇らなければ濁っていない証拠である。
水色(”スイショク”ここでは珈琲の色のこと)はなんといっても透明であり、金色(コンジキ)を秘めた清い琥珀色でありたいとの想いと、珈琲のスタイルがフレンチであることから店の屋号もフランス語で琥珀色(L’AMBRE)とした。
カフェ・ド・ランブルのWebサイトより

ドゥミ・タッスのような濃厚な味わいでも、くどさのない澄んだ味の切れを生んでいるのは、その点の配慮が反映されたものなのでしょうか。次はオールドコーヒーに挑戦してみよう。銀座に来る楽しみがひとつ増えました。

カフェ・ド・ランブル
所在地:東京都中央区銀座8-10-15 地図をみる
営業時間:平日12:00〜22:00 日・祝日12:00〜19:00(毎週火曜定休)
電話番号:03-3571-1551
Webサイト:http://www.cafedelambre.com/

【関連記事】創業100年以上の名店も!東京の老舗喫茶店おすすめ

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