Web3界隈の有識者を追っていると、ときどきSNSプロフィールを「〜.eth」という名前にされてる方がいます。ある種のトレンドのような感じになってますよね。このドメインらしきものは一体なんなのでしょうか。
そこで今回は、このENS(イーサリアム・ネーム・サービス)について調べてみました。ENSとはなんなのか。またドメインの取得方法や費用についても解説します。

目次
ENSとは
ENSとはイーサリアムブロックチェーン上に構築されたネームシステムです。ENSに登録されているドメイン名は、所有者のブロックチェーンアドレスに関連付けられており、NFT(非代替性トークン)であるためドメインの所有権を管理することができます。
ENSは、Webサイトのドメインを任意の文字列に置き換えることができるDNS(ドメイン・ネーム・システム)と似ています。DNS登場前は、WebサイトにアクセスするのにIPアドレスを入力する必要がありました。
IPアドレスはXXX.XXX.XXX.XXXのように0〜255の数字4組で表記されますが、憶えづらく複雑なためandcrafts.netのようにわかりやすいURLに変換できるようにした、これがDNSです。
仮想通貨においてもIPアドレスのように複雑なアドレスを必要とします。仮想通貨を送金する際に誤送信をしてしまう可能性もあり、この問題がENSによって、ユーザーの利便性が向上するということです。
たとえば「0xDC25EF3F5B8A186998338A2…」から「nick.eth」のように。誰でもドメインを購入・管理ができて、トークンをより扱いやすくすることができます。
ENSを利用するメリット
仮想通貨はMetaMaskなどのウォレットを通じて取引するわけですが、ブロックチェーンの性質として承認された取引を取り消すことができないことから、アドレスの入力には細心の注意を払う必要があり、それが初心者のハードルを高くしている原因となっています。
ENSを利用することで、このような誤送信のリスクを限りなく減らせることが大きなメリットとなります。
また、ENSは「〜.eth」のみならず、DNSと統合したことで「〜.com」や「〜.org」といった既存のDNS名の利用もサポートされています。
2022年7月現在、48万人以上のユーザーがENSを利用し、160万件以上のドメイン名が作成されています。さらに、ENSは500以上のアプリケーションに統合されています。
ENSドメインの取得方法・費用
1. ウォレットを接続
ENSドメインを取得するには、ENS公式サイトにアクセスしてウォレットを接続する必要があります。今回は「mashing.eth」ドメインを取得したいと思います。
ウォレットの作成方法はこちら
MetaMask(メタマスク)とは?インストール方法や使い方を解説




2. ドメインを検索
検索バーに取得したい文字列を入力するとドメインの空き状況を確認でき、「mashing.eth」ドメインが利用可能であることがわかります。取得済みの場合は、利用不可と表示されます。ちなみに文字数が短いほど料金が高くなります。

3. ドメインを選択して申請
ドメイン名をクリックし登録期間を設定します。その年数に応じて、登録料とガス代のおおよその目安を確認できます。登録リクエストボタンから申請してください。
なお、諸費用はイーサリアム(ETH)で支払う必要があります。更新のたびにガス代が必要となるので、愛着のある名前でしたら登録期間は長いほうがコスト的には良さそうです。
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4. トランザクションを確認し承認
接続されたウォレットからのトランザクションを確認します。工程上ウォレットの承認要求は2度。それぞれにガス代を要します。処理を進めると、正式にENSドメインの所有者となります。
ENSによって提供されるドメインは、イーサリアムネットワークの非代替性トークンです。このNFTの所有権はブロックチェーン上にあるため、購入後ドメイン名を譲渡したり売却したりすることが可能です。

1回目のガス代。確認して進みます。

登録をクリック。

2回目のガス代。確認して進みます。
5. 自分のウォレットに紐付け
実はENSドメインを購入しただけでは、まだあなたのウォレットとは紐付いてはいません。一緒に設定を済ませてしまいましょう。
「マイENS」からご自身のドメインを選択し保存してください。ここでもガス代が必要となります。ここまでで計3回のガス代を支払いました。これで紐付け作業も完了となります。

マイENSを選択します。

保存して進みます。

3回目、最後のガス代を支払って完了です。
ENSドメインの取得にかかった総費用
今回ドメインを取得するのにかかった費用の合計は、0.026534ETH(5年分のドメイン登録料 + ガス代)でした。執筆時点で5,000円ほどでした。いつETHを仕込むかにもよりますが、DNSドメイン程度の価格で取得できるので現在は利用しやすい金額ではないでしょうか。内訳は以下のとおりです。
5年分のドメイン登録料 0.022941ETH
3回分のガス代 0.007091ETH

まとめ
いかがでしたでしょうか。ENSは2022年7月現在、48万人以上のユーザーが利用し、160万件以上のドメイン名が作成されています。イーサリアムの優位性を考えると、Web3時代の主要なドメインとなるでしょうか。今回ご紹介したほかにも、サブドメインが追加できたりと活用の幅が広がっています。DNS同様に早いもの勝ちですので、いまのうちに取得しておくことをおすすめします。